労働者を雇用する場合、農業経営者も労働保険(労災保険と雇用保険のことです)や社会保険(健康保険と厚生年金保険のことです)に加入する必要がありますが、農業分野に対しては少し特別な取扱いがされています。

健康保険・厚生年金保険

まず、社会保険については、個人事業の場合、任意加入です。
法人化された場合は加入義務がありますが、その場合でも、農業の労務管理の「STEP2 農業分野で働く人の整理」で述べたように、働く人の属性等を整理して社会保険を加入させるべき人を精査する必要があります。

労災保険と雇用保険

労災保険と雇用保険はいかがでしょうか。

労災保険は、労働者が業務上の事由又は通勤によって負傷したり、死亡した場合等に被災した労働者や遺族を保護する保険給付を行う制度です。
雇用保険は、労働者が失業した場合等に必要な給付を行う制度です。

労災保険と雇用保険について、農業の場合、個人事業で常時5人未満の労働者を使用する事業所は任意加入となっています。

とはいえ、従業員の立場に立ったらいかがでしょうか。「他産業で働いていた時には労災保険と雇用雇用に加入してもらえていたのに、農業分野に転職したら加入してもらえなくなった」では、不満を感じるのではないでしょうか。

労災保険と雇用保険について、従業員の同意を得て、あえて任意加入することも可能です。ご検討をお勧めしておりますので、お気軽にご相談下さい。

特に、労災保険については、任意加入をお勧めしております。業務中の事故については労働基準法において事業主が補償すべきものですので、労災保険に加入していないと想定外の金銭的負担が生じることがあるからです。

農業は、農業機械を使った作業や、屋外や未整備な環境での作業、短期間で集中する作業等、実は不安全な作業が多く、農作業中の事故も多いです。労災保険の任意加入と後述する労災保険の特別加入制度の活用をご検討下さい。

労働・社会保険の手続きに関するご相談例

  • 法人化したので、初めての労働・社会保険の手続きを依頼したい。
  • 個人経営だけど、労災保険に任意加入したい。
  • 社会保険の保険料計算について相談したい。
  • 従業員が初めて産休・育休をとる。出産手当金や育児休業給付金の申請を依頼したい。
  • 社会保険料を抑えるためにはどうしたらいいのか?