育児・介護休業法の改正

2025年4月以降に施行予定の育児・介護休業法の改正について、ポイントを抜粋してお伝えします。

同法については、2022年に以下のような大きな改正があったばかりです。2022年には、①出生時育児休業(産後パパ育休)、②出産予定者と妻が出産予定の者への個別の制度周知・休業取得意向確認等 のルールが新設されました。改正情報を追えていますか?

2025年の改正は、育児をする従業員が柔軟な働き方をできるように、事業者が一定の措置を行うことが求められます。
また、介護の分野にも拡がり、介護離職防止のための一定の措置を行うことが義務付けられました。
規模の大小に関わらず、事業者はこれらのルールを守らなければなりません。男女従業員が対象です!ご注意下さい。

1.育児関連の改正ポイント

子の年齢に沿い、改正内容を記載します。

(1)出生~3歳になるまで

①個別意向聴取・配慮が義務付けられました。
仕事と育児の両立に関し、面談や書面交付等により意向を聴取すること、勤務時間や業務量、勤務地の調整などの配慮が義務付けられます。

②テレワークの選択が努力義務になります。

(2)3歳~小学校就学まで

①育児中の従業員が柔軟な働き方を選択できるように
以下のa~eの中から2以上の制度を措置することが義務づけられます。個別の周知・意向確認も必須です。

  • a 始業時刻等の変更 
  • b 新たな休暇の付与(10日/年)
  • c テレワーク等(10日/月)
  • d 保育施設の設置運営等
  • e 短時間勤務制度

②所定外労働の制限(残業免除)の延長
従前3歳までの制度でしたが、小学校就学まで延長されました。

(3)小学校就学~小学校3年生修了まで

・看護休暇の延長・拡大
従前小学校就学までの制度でしたが、小学校3年修了までに延長されます。
取得理由が、感染症に伴う学級閉鎖や入園(入学)式等に拡大されます。

2.介護関連の改正ポイント

主に以下の措置が義務付けられます。

  • (介護に直面していなくとも)40歳等での両立支援制度等の情報提供
  • 介護に直面した従業員への個別周知・意向確認措置
  • 相談窓口などの雇用環境整備 など